電気工事業とは? 含まれる工事の範囲
電気工事業は、発電設備・変電設備・送配電設備・構内電気設備などを設置する業種です。次のようなものが含まれます。
- 構内電気設備・非常用電気設備の工事
- 照明設備・引込線の工事
- 発電設備・変電設備・送配電線の工事
- 電車線・信号設備・ネオン装置の工事
なお、データ通信やネットワークの設備、放送機械設備、テレビの電波障害防除設備の工事は、電気工事業ではなく電気通信工事業に当たります。
電気工事業の特殊な事情——許可と登録は別物
電気工事業には、建設業許可とは別に電気工事業法にもとづく「登録」「届出」「通知」という制度があります。これは工事の金額に関係なく、電気工事を営むすべての事業者に必要なものです。
建設業許可(電気工事業)……1件500万円以上の電気工事を請け負うために必要。
電気工事業の登録・届出……金額に関係なく、電気工事を営むために必要。建設業許可を持つ事業者は「みなし登録電気工事業者」として、登録ではなく届出になります。自家用電気工作物の工事だけなら「通知」です。
つまり建設業許可を取ったあとは、電気工事業の届出も必要になります。許可だけ取って届出を怠ると、電気工事業法違反になります。ここを見落としやすいところです。
また、みなし登録電気工事業者も、一般用電気工作物等の工事をする営業所には原則として主任電気工事士(第1種電気工事士か、免状交付後3年以上の実務経験がある第2種電気工事士)を置く必要があります。
なお、すでに登録電気工事業者として営業している場合は、建設業許可を取得した時点で登録の効力が失われます。あらためて届出(みなし登録)への切り替えが必要で、ここも忘れやすいポイントです。当事務所にご依頼いただいた場合は、許可申請とあわせてこの届出まで段取りします。
営業所技術者になれる資格
電気工事業で営業所技術者(旧・専任技術者)になれる主な資格は次のとおりです。
- 2級電気工事施工管理技士
- 第1種電気工事士
- 1級電気工事施工管理技士
- 技術士(電気電子部門・建設部門)
電気工事業は指定建設業のひとつです。特定建設業の許可を受ける場合、実務経験だけでは営業所技術者になれず、1級の国家資格などが必要になります。
このほか、電気主任技術者(第1種〜第3種)は免状交付後5年の実務経験があれば認められます。第2種電気工事士も、免状交付後3年の実務経験で認められる場合があります。建築設備士も、取得後1年の実務経験があれば認められます。
一般建設業では、登録計装試験(平成17年度までの1級計装士技術審査を含む)に合格した後1年の実務経験がある方や、電気工学・電気通信工学の学科を卒業した方(高校卒業後5年・大学卒業後3年などの実務経験)も認められます。登録電気工事基幹技能者の講習を修了した方も、条件を満たせば対象です。なお、施工管理技術検定の第一次検定に合格した方の実務経験を短くする扱いは、指定建設業である電気工事業には適用されません。
実務経験10年で証明するときの最大の注意点
電気工事士の免状がなければ直接従事できない工事の経験は、免状の交付を受けた後の分しか数えられません。無資格でその作業をすることは電気工事士法で禁じられているためです。
この点は消防施設工事業と共通する扱いで、他の業種とは大きく異なります。「現場には20年いる」という方でも、免状が要る作業の経験は交付日より後の分しか数えられないため、免状の交付日と当時の仕事の中身をあわせて確認します。
- 免状の交付日を先に確認する……免状が要る作業では、ここが経験年数の起点になります。
- 間隔を1年以上あけない……各年の代表的な工事を1件ずつ示します。次の年の工事まで1年以上あいた場合は、その間の電気工事の実績も確認されます。免状が要る作業は交付後の分しか数えられない点とあわせてご注意ください。
- 資格があれば経験年数は不要……第1種電気工事士なら、実務経験がなくても営業所技術者になれます。
電気工事業でよくあるつまずき
- 建設業許可を取ったが、電気工事業の届出を忘れていた。
- 実務経験10年で申請しようとしたが、免状交付前の期間が算入できなかった。
- 第2種電気工事士だけで、免状交付後3年の実務経験が足りなかった。
- 電気通信工事も請け負っていたが、別業種だと後から分かった。
電気工事業は制度が二重になっているぶん、手続きの抜けが起きやすい業種です。建設業許可と電気工事業の届出は、あわせてお引き受けできます。
許可全体の要件は建設業許可の5つの要件、技術者の要件は営業所技術者(専任技術者)とはにまとめています。