業種追加とは?今の許可に別の業種を足す手続きです

建設業の許可は29ある業種ごとに受ける仕組みです。許可を受けたあとで別の業種の許可を追加で受けることもでき、これを「業種追加」といいます。大阪府の手引き(令和8年3月版)では、一般建設業(または特定建設業)の許可を受けている業者が、ほかの業種について同じ区分の許可を申請する場合と説明されています。

業種を足す必要が出てくるのは、許可のない業種の工事は軽微な工事(税込500万円未満、建築一式工事は1,500万円未満など)を除いて請け負えないからです。建築一式工事の許可があっても、内装工事だけを請け負うなら内装仕上工事業の許可が要ります。一方で、許可を受けた本体工事に附帯する工事は、その業種の許可がなくてもあわせて請け負えます。

どの業種にあたるかは、実際に請け負っている工事の中身で決まります。29業種の一覧と選び方は建設業許可の29業種一覧と選び方で解説しています。

業種追加の要件——カギは追加する業種の技術者

大阪府の手引きでは、業種追加は経営業務の管理責任者と営業所技術者等の要件を整えたうえで、そのほかも新規申請に準じて申請するものとされています。登記簿謄本や定款など、変更がなければ省略できる書類もあります。今の許可をお持ちの方がとくに確認しておきたいのは、次の4点です。

今の技術者が兼ねてもかまいません

営業所技術者等(従来の「専任技術者」)は、1人で複数の業種を担当できます。今の技術者が追加したい業種にも対応する国家資格を持っていれば、その方で要件を満たせる場合があります(資格によっては、取得後の実務経験も必要です)。新しく技術者を迎える場合は、その方が営業所に常勤していることも、健康保険の標準報酬決定通知書などで確認されます。

注意したいのは実務経験で証明する場合です。経験の期間は業種ごとに別々でなければならず、同じ期間を2つの業種に重ねて数えることはできません。証明には、追加する業種の工事の工期・工事名・工事内容・請負金額がわかる契約書・注文書・請求書などを使い、各年の代表的な工事の間隔が1年以上空かないように積み上げます。資格や学歴によるルートを含めた要件は専任技術者(営業所技術者等)とはで詳しく説明しています。

一般・特定の区分に注意
区分をまたぐと「業種追加」ではなくなります

業種追加は、今お持ちの区分のまま業種を足す手続きです。一般建設業の許可だけを持つ業者が特定建設業で業種を足す場合は「般・特新規」という別の申請になり、大阪府の手数料は90,000円です。1つの業種で一般と特定の両方を持つこともできません。特定建設業は技術者と財産の要件が一般より重く、土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種(指定建設業)では、営業所技術者等に原則として1級の国家資格などが求められます。

決算変更届が出ていないと申請できません

業種追加の準備で見落とされやすいのが、許可を受けてからの届出です。決算変更届は毎事業年度の終了後4か月以内に出す届出で、役員や営業所、技術者などが変わったときは変更届も必要です。大阪府の変更届の手引き(令和8年3月版)は、これらを出していないと許可の取消しの対象となるほか、更新や業種追加などの申請、経営事項審査の申請もできなくなるとしています。

未提出の分があれば、それを提出してから業種追加を申請します。郵送の事前チェックサービスを使う場合は、申請書類と一緒に未提出の決算変更届を出すこともできます。決算変更届そのものについては決算変更届とはをご覧ください。

いずれ業種を足したい方へ
許可のない業種の工事も、毎年の届出に載せておく

決算変更届に添える「直前3年の各事業年度における工事施工金額」には、許可を受けていない業種の工事を書く欄(その他の建設工事の施工金額)があります。大阪府の手引きの記載例は、この欄への記載を求めたうえで、業種追加のとき、追加する業種の実務経験は実績の記載がない年度の分は認められないと注意しています。いずれ足したい業種の工事を請け負っているなら、毎年の届出にきちんと載せておくことが、あとで実務経験を証明するときの備えになります。

費用——手数料50,000円と報酬70,000円〜

業種追加の費用は、大阪府に納める手数料(実費)と、行政書士に依頼する場合の報酬に分かれます。

業種追加の費用(大阪府知事許可・税込)

大阪府の手数料(実費)……50,000円(一般・特定のどちらか一方の場合)
当事務所の報酬……70,000円〜(技術者を実務経験で証明する場合など、案件の内容による加算の有無を無料相談で確認し、着手前に総額を確定します)

手数料は申請の区分ごとに決まっているため、2つ以上の業種をまとめて追加しても、一般(または特定)の業種追加1件なら50,000円です。あとから1業種ずつ足すと、そのたびに手数料がかかります。

許可申請は完全成功報酬です。万一許可が下りなかった場合、当事務所の報酬はいただきません。ただし、大阪府に納めた手数料は取下げや不許可の場合も還付されません。更新とまとめる場合の費用は、後の「一本化」の項目で説明します。ほかの手続きの報酬は報酬一覧に載せています。

期間——受付から許可の通知まで標準30日

大阪府では、申請書を受け付けた日から許可の通知書を発送するまでの標準処理期間を、土日・祝日を含めて30日としています。年末年始の閉庁日(12月29日〜1月3日)と大型連休はこの日数に含まれず、審査の状況によっては30日を超えることもあります。

受付の前には書類の準備があります。技術者が資格をお持ちなら準備は比較的短く済みますが、実務経験10年で証明する場合は、10年分の工事の資料をそろえる時間がかかります。郵送の事前チェックサービスを使うと、書類が届いてからおおむね10日程度で完了の通知が発送され、そのあと窓口で本受付をします。

許可が出るまでは、追加する業種の工事を単独で請け負えるのは軽微な工事の範囲に限られます。大阪府は標準処理期間の短縮や発送予定日の問い合わせには応じないとしているので、工事の予定があるなら着工時期から逆算して早めに準備を始めるのが安心です。

更新と同時に申請して許可日をそろえる(一本化)

業種追加を申請するときは、今お持ちの許可の更新も同時に申請して、すべての許可の許可日を同じ日にそろえることができます。大阪府の手引きでは「許可の有効期間の調整(許可の一本化)」と呼ばれ、申請区分は「業種追加+更新」です。申請書の「許可の有効期間の調整」の欄で「する」を選びます。

そろえないと、業種ごとに有効期間の満了日が別々になり、更新の準備がそのたびに必要になるうえ、更新の手数料もその都度かかります。一本化すれば、今の許可も追加した業種も新しい許可日から5年間の有効期間になり、次の更新は1回で済みます。

業種追加のときに一本化しなかった場合でも、のちにいずれかの許可を更新する際に、有効期間の残っているほかの許可もまとめて更新して許可日をそろえることができます。なお、国土交通省の建設業許可事務ガイドラインには、国土交通大臣許可について原則として6か月以上残っていることを求める取り扱いがありますが、大阪府知事許可の業種追加では、大阪府の手引きのとおり30日以上が条件です。

業種追加のご相談で最初に確認すること

ご相談をいただいたら、まず次の4点を確認します。お手元の書類の写真をLINEで送っていただければ、そこから確認を始められます。

こちらで取得できる書類は代行取得します。注文書・請求書など社内の書類はご用意いただきます。要件を満たせるかどうかの確認だけでも構いません。

よくあるご質問(業種追加)

Q一度に2つ以上の業種を追加することはできますか?
できます。1件の業種追加の申請に複数の業種をまとめられ、大阪府の手数料は申請の区分ごとに決まっているため、一般(または特定)の業種追加なら50,000円です。ただし、追加する業種ごとに営業所技術者等の要件を満たす人が必要で、実務経験で証明する場合は業種ごとに別の期間が要ります。
Q決算変更届を出していないと、業種追加はできませんか?
未提出のままでは申請できません。未提出分を提出してから申請するか、郵送の事前チェックサービスを使う場合は申請書類と一緒に提出します。当事務所の決算変更届の報酬は、1期あたり30,000円(税込)です。
Q更新が近いのですが、業種追加と一緒に申請できますか?
今の許可の満了日まで30日以上あれば、「業種追加+更新」として1件で申請でき、すべての許可日をそろえられます。大阪府の手数料は100,000円(一般・特定の一方のみの場合)です。30日を切ると、更新と業種追加は別々の申請になります。更新の申請そのものも満了日の30日前までとされているため、過ぎている場合は大阪府への相談が必要です。
Q許可が出るまで、追加する業種の工事は請け負えませんか?
許可のない業種の工事は、軽微な工事(税込500万円未満、建築一式工事は1,500万円未満など)を除いて請け負えません。ただし、許可を受けている本体工事に附帯する工事なら、あわせて請け負えます。
Q一般の許可しかない場合、特定で業種を追加できますか?
一般建設業の許可だけをお持ちの業者が特定建設業の許可を受ける場合は、「業種追加」ではなく「般・特新規」の申請になり、大阪府の手数料は90,000円です。特定建設業は技術者や財産の要件が一般より重いため、要件を満たせるかどうかを先に確認します。