土木一式工事業とは? どんな工事が当てはまるか
土木一式工事業は、総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物をつくる業種です。原則として元請の立場で全体の調整や進行管理が必要になる工事のうち、規模や複雑さから個別の専門工事としては施工が難しいものが対象です。複数の専門工事の組み合わせは必ずしも要件ではありません。
- 橋梁などの土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事。
- 宅地造成工事のうち、総合的な企画・調整を伴うもの。
- 公道下などの下水道の配管工事や、下水処理場の敷地造成工事。
- 農業用水道やかんがい用排水施設の建設工事。
「一式なら何でもできる」は誤解です
土木一式工事業の許可があっても、500万円以上の専門工事を単独で請け負うことはできません。たとえば土木一式の許可だけで、500万円以上のとび・土工工事や舗装工事を単独で受注すると、無許可営業となるおそれがあります。
一式工事は「工事全体を総合的に企画・調整する立場」の許可です。実際に請け負っている仕事が専門工事なら、その専門業種で許可を取るのが正しい選び方になります。
ご自身の仕事がどの業種に当たるかは、建設業の29業種で確認できます。
営業所技術者になれる資格
- 2級土木施工管理技士(種別「土木」)
- 2級建設機械施工管理技士
- 技術士(建設部門、農業部門〈農業土木〉、森林部門〈森林土木〉ほか)
- 1級土木施工管理技士
- 1級建設機械施工管理技士
- 技術士(建設部門ほか)
土木一式は指定建設業のひとつです。特定建設業の許可を受ける場合、実務経験だけでは営業所技術者になれず、1級の国家資格などが必須になります。
実務経験10年で証明する場合
一般建設業であれば、資格がなくても実務経験10年で営業所技術者になれます。ただし土木一式の実務経験として認められるのは、一式工事としての経験です。専門工事だけをこなしてきた期間は、土木一式の経験にならない場合があります。
- 一式工事の実績が必要……元請として工事全体の企画・調整を担った工事があるか。
- 間隔を1年以上あけない……各年から代表的な工事を1件ずつ示します。1年以上の空きがあると、その間の実績も確認されます。一式で受けた年と専門工事だけの年が混ざる場合は、分けて整理しておきます。
- 指定の学科を卒業しているなら……土木工学・都市工学・衛生工学・交通工学に関する学科の卒業者は、実務経験10年が大学・短大・高専卒で3年、高校卒で5年に短縮されます。一方、施工管理技術検定(第一次検定など)に合格した後の実務経験で認める緩和は、指定建設業のため使えません。
- 専門業種の追加にも使える……とび・土工工事の経験が8年を超え、土木一式工事の経験と合わせて12年以上あれば、とび・土工工事業の営業所技術者になれます。しゅんせつ・水道施設・解体も同じ仕組みです。
- 特定建設業を目指すなら……実務経験だけでは足りず、1級資格が必要です。
土木一式でよくあるつまずき
- 一式の許可があるので専門工事も請け負えると思っていた。
- 実際は舗装や土工が中心で、一式の実務経験が証明できなかった。
- 特定建設業を目指したが、指定建設業のため1級資格が必要だった。
許可全体の要件は建設業許可の5つの要件にまとめています。専門工事については、とび・土工工事業や舗装工事業のページもあわせてご覧ください。