この記事の要点
  • 国や自治体などの公共工事を元請で受けるには経審が必要
  • 流れは決算変更届→経営状況分析→経審→入札参加資格の申請。大阪府の窓口申請は予約制
  • 結果通知書は申請の受理(補正があればその解消)から22日程度で発送。府の審査手数料は1業種11,000円
  • 審査基準日(決算日)から1年7か月が結果の有効期間。公共工事を続けるなら毎年受ける

経営事項審査(経審)とは?

経営事項審査とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事を、元請として直接請け負う場合にあらかじめ受けておく審査です。対象は請負代金500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の公共工事です(建設業法施行令第45条)。「経審(けいしん)」と略して呼ばれます。

会社の経営状況・経営規模・技術力などを客観的な数字で評価し、最終的に総合評定値(P点)という点数がつきます。国や自治体は、この点数をもとに業者をランク分けし、発注する工事の規模を決めています。

評価の項目は令和8年7月1日施行の改正で見直されました。「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言が加点項目(5点)に加わり、審査基準日(決算日)までに宣言していることなどが条件です。建設機械の加点対象には不整地運搬車とアスファルト・フィニッシャが加わりました。雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入状況は評価項目から外れ、就業履歴を蓄積する措置の配点も見直されています。

ポイント
公共工事の入札に参加するなら、経審は必須

国・都道府県・市町村などが発注する工事を元請として受けるには、経審を受けていることが法律上の条件です。逆に言えば、経審を受ければ公共工事という新たな仕事への道が開けます。

前提条件:建設業許可と決算変更届

経審を受けられるのは、建設業許可を持っている事業者だけです。まだ許可をお持ちでない方は、まず建設業許可の取得からになります。

また、経審は直前の決算の数字をもとに審査されるため、決算変更届を提出していることが前提です。未提出分がたまっている場合は、そこから片付ける必要があります。

経審の流れ|4つのステップ

決算変更届の提出

毎年の決算報告。経審のスタートラインです。経審を受ける場合は消費税抜き(免税事業者は原則税込み)で作成します。工事経歴書は経審を意識した書き方が必要になります。

経営状況分析の申請(Y点)

国に登録された分析機関に決算書などを送り、財務内容を分析してもらいます。結果は「経営状況分析結果通知書」として届きます。

経営規模等評価・総合評定値の申請(P点)

分析結果と工事実績・技術者の資料をそろえて、許可行政庁(大阪府知事許可なら大阪府)に申請します。ここが経審の本体です。

結果通知書の受領 → 入札参加資格申請へ

総合評定値(P点)が記載された結果通知書が届きます。これを使って、入札したい自治体ごとに入札参加資格を申請します。

主な提出書類は、経営規模等評価申請書・総合評定値請求書とその別紙(工事種類別完成工事高・技術職員名簿・その他の審査項目)、工事経歴書と業種ごとに上位3件の契約書などの写し、技術職員の雇用を確認できる書類、経営状況分析結果通知書の原本などです。窓口では正本・副本の2部を出し、許可申請書や決算変更届の副本一式なども提示します。

有効期間は「1年7か月」|毎年の申請が必要

経審の結果通知書の有効期間は、審査基準日(決算日)から1年7か月です。決算は毎年来るので、公共工事を続けたいなら実質的に毎年、切れ目なく受け続けることになります。

注意
空白期間ができると、入札に参加できません

手続きが遅れて有効期間が切れると、その間は公共工事を受けられません。決算が終わったらすぐ動くのが経審のコツです。当事務所では期限管理も含めてサポートします。

費用の目安

経審にかかる費用は、大きく「行政庁・分析機関に払う実費」と「行政書士への報酬」に分かれます。

※実費は法定・機関所定の費用のため、ご自身で申請される場合も同額かかります。※内容により変動する場合は、着手前のお見積りで明確にお示しします。※その他の手続きの報酬と実費は報酬一覧にまとめています。

スケジュール感|逆算して早めに

決算変更届の準備から結果通知書の受領まで、おおむね3〜4か月を見込んでおくと、あとで慌てずに済みます。さらに、自治体の入札参加資格の受付は時期が決まっている(定期受付)ことが多いため、「入札したい時期」から逆算して動き始めることが大切です。

大阪府の窓口で申請する場合は予約が必要です。予約は決算変更届の提出後に、申請日の2か月前から2開庁日前までFAXか来庁で行います(電話では予約できません)。例年9月以降は予約が取りにくく、府は12〜3月決算の事業者にできるだけ8月までに経審を受けるよう呼びかけています。結果通知書は申請の受理(補正があればその解消)から土日・祝日を含めて22日程度で発送されます。

「うちの決算月だと、いつまでに何をすればいい?」——そんな段取りのご相談からで大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問(経審)

Q経審は毎年受ける必要がありますか?
公共工事を継続して受けたいなら、実質的に毎年必要です。結果通知書の有効期間は審査基準日(決算日)から1年7か月のため、毎年切れ目なく受け続けないと、入札に参加できない空白期間が生じます。
Q個人事業主でも受けられますか?
はい。建設業許可を持っていれば、法人・個人を問わず受けられます。
Q費用はどのくらいかかりますか?
1業種の場合、実費は経営状況分析の手数料が1万数千円程度、経審の審査手数料が11,000円(業種が1つ増えるごとに2,500円加算)です。当事務所の報酬は経営状況分析20,000円・経審申請50,000円(いずれも税込)です。
Q決算から結果通知書まで、どのくらいかかりますか?
決算変更届の準備から結果通知書の受領まで、おおむね3〜4か月かかります。このうち大阪府の経審は、申請の受理(補正があればその解消)から結果通知書の発送まで22日程度です。入札したい時期から逆算して、早めに動き始めることをおすすめします。